これを初めて見たときには、ハンカチがぐしょぐしょになるほど泣いた記憶がある。高倉健演じる夫が刑務所から出てくる。桃井かおり(あけみ)や武田鉄也(きんちゃん)と道連れになり、北海道を車で旅する。話のなりゆきから、男が既に離婚した妻(賠償千恵子)に「もしも俺を待っていてくれるなら、黄色いハンカチを柱にしばりつけておいてくれ」という手紙を出したことがわかる。その話に感動した二人はしり込みする高倉健を説得して夕張まで確認に行く。
 もう、黄色いハンカチがあるという予想のもとに見ていたのであるが、それでも素直に感動する。ハンカチはたった一枚ではなく、上から下まで何十枚と風にはためいていて、それが奥さんの「待ってた」って気持ちと重なってうわぁーっとくるのである。
 高倉健といえば、任侠ものの映画に出ていて、なんだかやくざっぽいという印象しかなかったのに、武田鉄也や桃井かおりと一緒にいると、なんだかお茶目な感じまでした。
 ちゃらんぽらんで、人を愛するってことを安直に考えているきんちゃんと、人を愛することに臆病になっているあけみの行きずりのカップルが、不器用だけど真剣な健さん夫婦に刺激されて自分たちの行き方を見つめ直すところがいい。
 一番疑問に思ったのは、北海道ではあの当時「かんかん娘」を路上で歌うドサまわりのような歌手がいたのかってこと。やけに耳に残ってしまう歌であった。
 映画館で見ていたとき、後ろに座ったやくざ風のおじさんが顔を真っ赤にしてせきあげるように泣いていたのが恐ろしくもあった。
 
幸せの黄色いハンカチ
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